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浮世絵の夏 ー納涼と花火ー

 冷房の無い時代のこと、涼を求める人々は水辺へと繰り出し、夏の名所は川や海などの水辺にありました。そこには暑い夏を過ごす楽しみ方や遊びがあり、京の四条河原と江戸の隅田川岸は、最も有名な夏の名所でした。
 特に江戸の両国では5月28日の川開き以降、毎夜花火が打ち上げられ、夏の夜空を彩っていました。漆黒の夜空に明滅する花火に一時暑さを忘れ、歓声が沸き上がります。両国橋の上には大勢の見物客が押し寄せ、そぞろ歩く川岸には水茶屋が並び、川面は沢山の涼み船で埋められるという、大変な賑わいを見せていました。江戸の繁栄を伝えるこの風景を、国貞、国芳、広重等の人気浮世絵師が筆を競って描いています。
 江戸の人々が工夫を凝らし、また楽しみながら夏を過ごしていたことが、浮世絵に描かれた情景から、うかがい知ることができるでしょう。

開催館

美術館「えき」KYOTO  2013年8月15日(木)~9月9日(月)

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